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object zeroing ​Kota Sugihara

カントは、思考できない超越的概念を「thing-in-itself」とし、「経験を生じさせる何か」は存在するが、物自体は認識できないものとした。カントの哲学を前提とした場合に、サブジェクトが認識できないものは思考できないということになる。カント以後の美学理論の展開で、建築(特にモダニズム)では、サブジェクトが認識できない部分が存在することに目をつぶってきた。全てはサブジェクトを通して存在するというカント的世界からの脱却として、「Zeroing(ゼロ化)」を提案する。今までは、機能を決めてからオブジェクトがあったが、その場合に、その機能のオブジェクトとして、経験的に読めてしまい、オブジェクトの質を見ることが阻まれてしまう。そのため、ゼロ化し、自律的な建築の創出を試みる。

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